薬をやめたら笑顔が戻った

                    長尾 和宏医師
 たくさんの薬を処方されていても、まったく薬を飲んでいない夫婦。なぜ?「食べられない」「歩けない」患者さんなのに…。水虫の薬と睡眠導入剤。同時に服用して転倒…?

 認定薬剤師に助けられる時代。認定薬剤師は、時代に即した薬学的ケアを行う。「ムンテラ」なら、薬の副作用の心配は不要。かかりつけ医の次は、往診もしてくれる「かかりつけ薬局」。「往診」する薬剤師がいる薬局を、かかりつけにしたい。「もの忘れ?」「認知症?」本当に薬は必要か?

抗がん剤には副作用がつきもの。抗がん剤の「しんどさ」を、多くの医師は体験していない。抗生物質を出すのは「ヤブ」。風邪の処方は案外むずかしい。

血液サラサラ」の薬で、深夜の救急搬送。極度の貧血状態は、副作用による胃潰瘍脳梗塞の予防のための血液サラサラの薬が…。胃潰瘍を予防する薬も服用していた。まさに薬は、常にリスクと隣り合わせ。

 薬が大好きな日本人。39兆円医療費のほぼ2割、年間8兆円が薬代。人間ドック学会の基準値の改定が意味するもの。「血圧も、コレステロール値も気にする必要なし!」。

 実際、会社の健康診断で異常を指摘された社員さんの、健康相談のときにこうはっきりいわれます。「もう病院通いはやめます。薬もいらないのですし」。そう、宣言されます。週刊誌の影響は大きいのです。

医療機関を受診しなければ、診察のお金も必要ありませんし、薬も出ませんから薬代はゼロになります。医療費の増加に頭を悩ませている国にとっては、とても喜ばしいことです。