認知症はもう怖くない?
西崎 知之氏
 ・アルツハイマー認知症アルツハイマー病)
レビー小体型認知症
・前頭側頭型認知症(ピック病)

残っている脳神経細胞の働きを活発にすればいい。新薬の開発過程で見いだした「ホスファチジルコリン」の可能性。情報伝達のカギを握る神経伝達物質

ホスファチジルコリンは私たちの体内にあるもの
 ホスファチジルコリンは、もともと私たちの体の中や、動植物の中にある物質です。細胞膜を作る成分の一つで、コリンという物質と飽和・不飽和脂肪酸が組み合わさってできています。コリンは細胞膜を作ったり修復したりするのに欠かせない栄養素の一つで、卵黄、大豆などに含まれています。

 脂肪酸は脂質の一つで、飽和脂肪酸不飽和脂肪酸もエネルギー源や細胞膜の材料となります。また、不飽和脂肪酸には、血中の中性脂肪コレステロールの量の調節を助ける働きもあります。みなさんもよくご存じのアラキドン酸、オレイン酸リノール酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)などが代表的な不飽和脂肪酸です。

 不飽和脂肪酸には受容体の伝達物質の放出を刺激し、老化した細胞を若返らせる働きがあります。また、不飽和脂肪酸には受容体の反応を増大させる働きがあります。

 さらに言えば、コリンは神経伝達物質のひとつであるアセチルコリンの材料になります。つまり、ホスファチジルコリンは、神経伝達物質の放出を促す、受容体の反応を増大させる、アセチルコリンの量を増やす、という3つの性質を持っているのです。

 ホスファチジルコリンは構造内に不飽和脂肪酸を含み、代謝されて始めて不飽和脂肪酸ができます。つまり、脳内でホスファチジルコリンが代謝されると脳内で不飽和脂肪酸が産生され、そこで効果を発揮できるのです。

 2916通りの組み合わせから選んだ2種類のホスファチジルコリン。認知症も、ガンも、糖尿病も、私の研究では一本道。

記憶力と学習力を同時に強化するDL/POホスファチジルコリン。

 天然物から抽出できる2種類のホスファチジルコリンを検索しました。その結果、POホスファチジルコリンは卵黄から、DLホスファチジルコリンは大豆から、それぞれ効率よく抽出できることが判明しました。

 最前線の社会人にも集中力の贈り物。医学生の成績も大幅に向上し、医師国家試験に全員合格。