21世紀の日本最強論

文春まとめ
 衝撃の国連レポート「世界一豊かな日本」。

GDPを超える新経済統計。日本の強みは設備・インフラと教育力。

 新しい経済統計「総合的な富裕度報告書2012」(以下、国連新統計)を発表。

これは三百六十六ページにも及ぶ大報告書であった。この国連新統計では、

?国民の頭脳力である人的資本、
?ヒトが生産した資本、
?国民の信頼関係である社会関係資本
?農業や鉱物資源を中心とした天燃資本の四つの資本に着目し、
これこそが、その国の国民の生活の豊かさと、経済の持続性を示すものだとしている。

      なぜ日本が世界一なのか

 国連の新統計でなぜ日本は世界一位という結果が出たのだろうか。

蓄えた資産(豊かさ)で見る限り、先述したように日本は世界一豊かな国である。日本人がこれまでに蓄積した富は、アメリカと比較して(一人あたりの金額にして)約五百億ドル(五兆円)も多い。ここで計算している資産は、単なる預金や株式などの金融資産ではなく、人的資本、道路・港湾などの物理的資本、天燃資本の合計だ。これが世界一だということは、日本が最も発展持続力のある豊かな国だということである。国連の報告書では、このような資産を「総合的な豊かさ」と呼んでいる。

 幸福度(あるいは富裕度、今後の成長に役立つ資産残高)を測る新しい基準は、国民の能力と、これまでに生産し、蓄積してきた物的資産の残高を重視する。

経済規模拡大の速度(成長率)ではなく、蓄積した経済資産の水準(残高)が重要なのだ。ヒトとモノの資産残高がその国の富であり、富裕度である。

 特に高く評価されたのが、国民の教育水準や業務遂行能力である人的資本の水準が高いこと(日本約三千百二十四億ドル、米国約七百三十二億ドル)だった。