世界から戦争がなくならない

本当の理由
池上 彰氏
 いまの日本人の対米感情を外から見れば、私たちがアメリカを許したように感じられるでしょう。でもほとんどの日本人は、アメリカを「許した」とさえ思っていない。むしろ、軍国主義だった日本を民主化してくれたことに感謝しているようにさえ見受けられます。

 戦争の成功体験が次の戦争を招くだけでなく、「もう戦争は懲り懲りだ」と反省しても、それがまた次の戦争の引き金になる。それが、この70年間の世界でした。

 アフガニスタンで「過ち」を繰り返す大国たち

 いかに世界が他人の失敗を「他山の石」にできないいかは、アフガニスタンという国に注目するとよくわかります。あの国に手を出して痛い目を見たのはソ連だけではありません。過去を振り返ると、アフガニスタンに介入して無事に済んだ国はひとつもないのです。