尿が泡立つのは病気?

オシッコが泡立って気になる方へ
オシッコで泡立つと病気と思う人が
多いんですけど

尿検査は患者さんにとって、リスクがなく簡単に病気の存在をしることができ、更に費用もあまりかからないために健康診断などで多く使われる方法です。

でも、スクリーニング検査ではリトマス試験紙のようなものを使って調べるだけで、尿の泡立ちを注意深く診ることはほとんどありません。

患者さんとしては毎日少なくとも7−8回はトイレに行くでしょうから、いつもより尿が泡立ってしまうと、何とはなしに「腎臓でも悪いのではないか?」と思う方が多いようですので、今回は尿が泡立つのは病気の前兆であるのか、あるいは病気は無関係と考えればいいのかについて検討してみます。

尿が泡立つと蛋白尿や糖尿病?

オシッコに蛋白や糖がたくさん混じっていると尿の粘性(粘り気)が増加するので、確かに尿が泡立つという現象が起きます。しかし、尿の泡立ちを検査する医師はウロスティックやウロペーパーという検査方法を使用して同時に蛋白や糖もチェックしますので、それらに異常があれば必ず「尿に蛋白が結構混じっていますね」とか「糖尿の気があるって言われたことないですか?」とかの質問をしてくるはずです。いくらウロスティックで蛋白が+となっても病気であることを確定するためには、蛋白がオシッコ1dl当たり、何ミリグラム含まれているかという検査を追加しますし、糖が大量に出ている疑いがある場合は、血液検査を薦めることになります。オシッコに大量に蛋白が含まれていると「ネフローゼ」という病気の可能性が高くなりますので、血液検査などの精査が必要となってきます。

オシッコを泡立たせる要素

尿の勢いが強く、専門用語で尿流が強いといいますが、その場合、尿が勢いよくトイレを満たしている水に注がれると空気が大量に含まれる為に泡立つという現象が起きる可能性もあります。正常な尿であっても「ウロビリノーゲン」といわれる物質が含まれていて、この成分が界面活性作用を持っている為に、泡を作る効果がありますので、正常でもオシッコが泡立つという現象が起こりうるのです。

なかなか消えない尿の泡は病気の可能性が
出てくる
キメの細かいクリーミーな泡が立ち、それがなかなか消えない場合は尿タンパクの影響によっていると考える医師も多いのです。しかし、通常は座ってオシッコをしている男子が立って勢い良く排尿すると前述したように泡が立ち易くなりますが、その泡がビールの泡のごとく、きめ細かいで消えにくい場合は尿タンパクの影響とお考えください。ビールの泡はなかなか消えないけど、コーラの泡って結構すぐ消えますよね、その理由はビールの場合はペプチドとよばれる物質が界面活性剤の働きするのですが、その変わりの役目を尿では蛋白が行なうのです。そのペプチドはビールの原料である大麦由来のものですから、大麦に含まれる蛋白の成れの果てともいえます。

一方、コーラには蛋白の分解質であるペプチドは含まれていませんので(コカコーラの成分は極秘事項であるというのは実は都市伝説です)、当然炭酸によって泡が立ってもすぐ消えてしまうのです。この理論?いけばきめ細かでなかなか消えない泡が立つ尿は病気の前兆の可能性がでてきます。