熱中症予防の意外な落とし穴!「低ナトリウム血症」とは?

市民ランナーは水分の摂りすぎに注意!

夏に限らず、マラソンの大会に参加して脱水症になり、熱中症にかかってしまう市民ランナーは少なくない。このことは比較的よく知られているため、水筒でこまめに水を飲む、コースの途中に設けられた給水所を利用するなど、参加者の間でも水分補給の意識は高いと考えられている。

実は、ここが意外な盲点。水分を必要以上に摂りすぎたり、大量に汗をかいて体内の塩分量が不足したりすると、血液中のナトリウム濃度が薄くなりすぎる「低ナトリウム血症」になってしまうことがある。

重度の場合、危険な状態になることも…

ナトリウムは、体内の水分と塩分のバランスを調節する働きがある、健康の維持に欠かせないミネラルの一つ。

不足した量がわずかであれば、特に症状が現れないこともあるが、不足の程度が大きくなるにつれ、だるくなる、吐き気がするなどの症状が現れるようになる。

重症になると、脳がむくむ脳浮腫や、肺に水がたまる肺水腫などが引き起こされて、呼吸困難や意識障害などの危険な状態に陥り、最悪の場合は死に至ることもある。

低ナトリウム血症の主な症状
【中等度の場合】   【重度の場合】
全身の倦怠感      呼吸困難
吐き気         意識障害
筋肉のこむらがえり         …など