紙一重は思いの差

プロスポーツや将棋、囲碁などの勝負ごとでは、お互いに実力が伯仲している者同士が戦います。

たいがいの場合、戦う両者はほとんど互角で、たとえば、アルガルベ杯の決勝で戦った日本とドイツのように、勝負の行方は紙一重の差で決まります。

なでしこジャパンがワールドカップで優勝したときはアメリカと圧倒的な差がありましたが、同点に追いついてPK戦で勝てたのは、なでしこがアメリカより「勝ちたい」という思いが強かったからです。勝ちたいという強い思いが、なでしこを優勝させたのです。

ところが、アルガルベ杯の決勝では、日本はドイツに負けてしまいました。実はドイツはロンドンオリンピックに出場しません。今年の晴れの舞台はアルガルベ杯だけで、その分、「勝ちたい」という思いが強い。
その「勝ちたい」という思いが、ロンドンオリンピックにも出場するなでしこを上回っていたから、最後に逆転勝ちしたのです。

苦しいとき、つらいとき、もうひと踏ん張りできるかどうか。
それは「思い」がどれだけ強いかどうかにかかっています。「思い」の差は紙一重ではありますが、実際には天国と地獄を分けるほど大きな差となって表れるものなのです。