ビールを飲んで認知症を予防しよう!

       イソα酸は脳血流も増やす
 イソα酸がどのようにアルツハイマー認知症を予防するのか。そのメカニズムを学習院大学理学部生命科学科の高島明彦教授が解説する。
アルツハイマー認知症の患者さんは、大脳皮質にアミロイドβという異常なタンパク質が沈着し、老人斑というシミが出来てしまっています。

 このアミロイドβを貪食、つまり脳内に溜まった悪い物質を食べるように包み込み、消化してくれるのがミクログリアという免疫細胞です。いうなれば脳内の掃除役ですが、イソα酸にはこのミクログリアを活性化させる効果があることがわかりました」

 ただ、ミクログリアの作用はいいことばかりではない。サイトカインというタンパク質を放出することで脳内の炎症を促し、アルツハイマー認知症の原因のひとつになるという負の一面も持つ。

ミクログリアが活性化すれば、この「炎症毒性」も発揮することになるため、いうなれば諸刃の剣でもあるのだ。
 ところが、イソα酸によって活性化されたミクログリアは毒性を発揮せず、より貪食する方に働くようになります。結果、アミロイドβをどんどん掃除していくのです。