ゲノム編集

 遺伝子組み換え技術の誕生。一○○年かかるものが数年に。

     ゲノム編集のゲノムとは何か

 DNAは(アデニン)・T(チミン)・G(グアニン)?C(シトシン)という四つの塩基が並んだ構造をしている。AとT、GとCが対になり、二本鎖をつくっている。そしてこの塩基の並びが情報として遺伝子となっている。遺伝子の数はヒトでおよそ二万個とも言われる。

そして、これらDNAの遺伝情報すべての総称が、「ゲノム」だ。遺伝子と染色体から合成された言葉である。加速する「ゲノム品種改良」。超難病はゲノムから治せ。

 がん治療についても、ゲノム編集は大きな役割を果たすと見られています。人間の二万以上ある遺伝子の一つひとつの機能を、ゲノム編集を利用して調べて、どの遺伝子ががんと密接な関係にあるのかがわかってきました。

「ガイド」と「はさみ」、クリスパー・キャス9の仕組み。第三世代、クリスパー・キャス9はこうして生まれた。第三世代のクリスパー・キャス9は、二○一二年に発表された論文が始まりとされる新しい技術だ。一般には「クリスパー」と呼ばれることも多い。ゲノム編集は、クリスパー・キャス9の登場によって、世界中に普及していくことになる。

     原理的にはすべての生物に応用可能

 クリスパー・キャス9を中心としたゲノム編集の技術は、ほぼすべての生物で使えると考えられている。細菌やウイルスでもゲノム編集が可能であることがわかっている。