キビシイ熱中症

  見過ごされがちな急性運動性横紋筋融解症

 高齢者の発症傾向と異なり、10代を中心に若い人の熱中症は、多くが運動中に起こる。運動すると筋肉で大量の熱がつくられる。そこに、夏場は熱ストレスが加わるので、発症リスクが高くなるのだ。
「急性運動性横紋筋融解症は、熱によってからだを動かす筋肉が壊れ、筋肉からミオグロビンという成分が溶け出し、ミオグロビンが尿中に出てくる状態のことです。運動時の熱中症に合併して発症することが少なくありません。このミオグロビン尿は、腎臓の尿細管を通る際、尿細管を傷めつけるので、治療が遅れると急性腎不全を起こしてしまいます。