“むなしさ病”の恐ろしさ

 そして、「他人とは違う自分でありたい」「自分にしかできない何かをして世の中の役に立ちたい」と純粋な理想を抱いて大学に入り、
社会に出た若者たちが、結局、自分は歯車のひとつにすぎないことや、要領のいい人間、コネのある人間だけが得をすることなどを思い知らされ、

むなしさややりきれなさに苦しんだ末にこの教団に入って行ったことを知った。

 オカルトで「かけがえのない私」を実現する方法は、大きく分けて二つある。

一つは普通の人は持っていない「超能力」を獲得して特別な人になること。

もう一つは、普通の人にはできない特殊な経験をして特別な人になること。

日本でオカルトを信じる人の多くは前者のタイプのようである。その典型はオウム真理教の信者であろう。

二者択一思考は世界の流れ

 自分で複雑な思考をするよりも「白か、黒か」と二者択一の選択肢を与えられて、そのどちらかを選びたい、という傾向は世界的なのかもしれない。

“イヤなこと”を切り離す智恵

 解離性障害と呼ばれる現象にも通じるものがある。