細胞と細胞の間には、不可解な相互作用がある

 同じ組織培養から二つのサンプルを取りだし、別々の容器に密封して、一方に致死的なウイルスを入れ,二つの容器を石英ガラスで遮断し完全に隔離します。すると、当然のことですが、汚染された細胞はウイルスに冒されて死んでしまいます。
 ところが、さらに一二時間たつと、もういっぽうの完全に遮断された細胞も同じ症状で死滅しました。サンプル間での感染がないにもかかわらず、です。
 このことは、同じ細胞間には、物理的な障害や距離を超えた何らかの「交感作用」があることを暗示しています。

 それは、生まれたての子ウサギを潜水艦に収容し、親ウサギを陸上の研究室に置き、それぞれの脳には電極を植え込んでおいたのです。そうして、海面下の潜水艦にいる子ウサギをつぎつぎに殺すと、その都度まったく同時に母ウサギの脳で電気反応が起こりました。危機に遭遇すると、血縁のあるウサギ同士で空間を超越して共鳴が起こり、心を通い合わすらしいのです。

人間の古い脳に、本能に根ざす超越能力がひそんでいる

遺伝子プログラムを打ち破るコンティンジェントパワー
 遺伝子に対抗するプログラムを、ライアル・ワトスンは「コンティンジェント・システム」と名付けました。
 そして、遺伝子に対抗するこの作用がはたらく場は、精神的領域に限られていると考えました。また、このはたらきは、自然界全体とのかかわりのなかで発揮されるとも、見ています。単純なパターン的な感性は、自然淘汰を通じ遺伝子によってつくられたのかもしれません。
 しかし、自己意識の発達していく過程で感性を豊かに、多様にしてきたのはこのコンティンジェント・システムの役割だったのです。
 コンティンジェント・システム、これが遺伝子因子や環境的要因に対抗する第三の因子なのです。
 私たちのだれにもあるけれども、深くは自覚されていないこの部分―精神の奥底に眠っているコンティンジェント・システムを、どうしたら呼び起こし、発動させるかが、これからのテーマとなります。
 コンティンジェント・システムがはたらくとき、潜在している「超越能力」が目を覚まし、人間は思いもかけない力を発揮しはじめるのです。

 宇宙の自然とその一部である生物や人間との間には、常識や科学的な固定観念と違った事実や現象がたくさんある。
 また、それは宇宙や自然と交感、交信、共鳴しあうある種のコミュニケーション現象である。
 そして、そのコミュニケーション現象は、ユングのいう意識と無意識(純粋意識)の境目を相互に浸透しあうことによって、発動することも、わかりました。
 この意識と無意識の浸透しあう場が、脳の古い皮質である大脳辺縁系です。
 大脳辺縁系で何億個もの神経系であるニューロンやその接合点であるシナプス細胞内物質であるミトコンドリアなどから形成された神経細胞が相互に作用しあい、影響しあってひとつの「力の場」が構成されます。この「力の場」を、私たちは「統一場」と呼び、ここで行われるある種のエネルギーの発生の仕組みを、ライアル・ワトスンのいう「コンティンジェント・システム」であると、考えてきました。
 そして、「統一場」で、「コンティンジェント・システム」がはたらきだすことで、さまざまな交感、交信、共鳴現象などの「超越現象」が起こると想定しました。
 この現象のあらわれが、例えばキルリアン写真で表される「オーラ」であり、言葉に頼らず空間を超えて人と人、生物と生物で通じ合えるコミュニケーション能力であり、遺伝的な病気も克服する免疫機構の活性化であり、あるいはテニスボールを手を使わず切れ目も入れずに裏返すような「超常能力」です。
 この「統一場」でより強くエネルギーを発生させるためには、ユングがいう意識と無意識浸透を意図的に起こさなくてはなりません。

一、○○○○の関る統一場にEgを入れる
二、○○○○のコンティジェント・システムにEg入れる

 ライアル・ワトスンが紹介する、アメリカ・ネブラスカ州の一九五〇年のある合唱団の例も、不思議なものがあります。これは、ビアトリスという小さな町での事件ですが、いつもは午後七時三〇分に教会で行われる合唱練習に団員一五人の全員が遅刻しました。
 それぞれ家事や宿題、昼寝の寝ごし、車のエンジンの不調など、個別の私的なことがらが理由でした。
 そして、その夜七時二五分にボイラーが爆発して、教会が全壊したのです。

 合唱団員のひとりひとりが四回に一回遅刻していたとすると、全員が同じ日に揃って遅刻する確率は十億分の一です。しかも、その日が爆発の夜であるということは、驚異的な確率の偶然といえます。

「純粋意識における『統一場』の活性化」

 なすがままに、あるがままに、自然に流されるように意識を泳がせる。いいかえれば、「ポカーンとした気持ちの状態」です。
 こうした心的な構えを「受動的注意集中」といいますが、これがすべての基本であり、出発点であって、気功や禅、瞑想、ヨガ、武道などすべてに共通しているこころのあり方なのです。
 この「受動的注意集中」というキーワードを覚えておいてください。
 そして、受動的注意集中の過程で、意識が無意識(純粋意識)の層とふれあい、純粋意識が浮上するとともに、本能に根ざした「超越能力」が動き始めるのです。
 また、この受動的注意集中が深まったこころの状態を、「トランス状態」、「意識変容状態」、「フロー状態」などの用語で表します。

「瞑想」を使って、純粋意識の場(統一場)に分け入る

 さて、精神能力を開発し、心から鈍さを取り除き、知力を鋭くします。また、深い眠りをもたらし、緊張をほぐし、深いリラクゼーションを実現します。
基本浄化をやると10分の1でOK。

⑴活力と機敏さの増強
⑵集中力の増幅
⑶決断力の強化
⑷先見性を広げ、創造性を向上
⑸個性の魅力的な発揮
⑹冷静さ、思慮深さの深化
⑺直感力の付与
⑻説得力の向上
⑼免疫能力の向上
⑽性的能力の向上
⑾健康バランスの保持