食の無法地帯

中国の新たな闇

毎年300万人が食品のせいで病気になるー品質管理なき「メイド・イン・チャイナ」は崩壊寸前

問題の根底にある制度の不備とモラルの欠如を是正すべく、大胆な改革に踏み切らないかぎり国際競争力も国民の健康も維持できない

 男性の精子の数を減少させる添加物を加えた魚介類、ヒ素入りの毛髪製しょうゆ、ファストフードに添加されたホルモンのせいで、6歳の男児にひげが生え、7歳の女児の胸が膨らむ……。

 周は、豚の飼料に添加されるクレンブテロールという薬品に関する恐るべき逸話を紹介している。これを人間が摂取すると、めまいや疲労感、吐き気、動悸に襲われるが、養豚業者は肉の赤身が増えるので使いたがる。

 周が食品安全管理担当の当局者から聞いたところによると、ある地方の指導者が使用禁止後もクレンブテロールを豚に与えている業者に理由を尋ねると、そのほうが都市部でよく売れるからだという答が返ってきた。

“Made in China”のブランド価値を早急に回復しないと中国経済は深刻な打撃を避けられない