筋萎縮性側索硬化症とはどんな病気ですか?
(筋萎縮)という言葉は、骨格筋を支配している脊髄前角細胞(下位運動ニューロン)に原因があって筋肉が萎縮していくも(神経原性筋萎縮)を言い、骨格筋自体の病気で筋肉が萎縮するもの(筋原性筋萎縮)は含みません。
また、側索硬化症とは、精髄の側索(錐体路=上位運動ニューロンの神経繊維)が変性し、グリア細胞の増殖のため硬化していることを示します。
このように、筋萎縮性側索硬化症は下位運動ニューロンと上位運動ニューロンの両方を侵し、結果として筋肉の動きを低下させてくるもなのです。
筋萎縮性側索硬化症の原因は何ですか?
現在、家族性の筋萎縮性側索硬化症は、筋萎縮性側索硬化症全体の5〜10%の頻度で認められますが、その一部の家系でその原因遺伝子が、SOD1遺伝子であることが発見されました。
SOD1は、好気性代謝の過程で細胞内に生じる活性酵素の一種であるsuperoxideを不活化する酵素であり、この低下により、神経細胞が変性する可能性がありますが、まだ、その機序は判っておりません。
その他の一般的な筋萎縮性側索硬化症についても、原因は全く不明です。
筋萎縮性側索硬化症の原因として今までにあげられた仮説には次のようなものがあります。
1.ウイルス説
ポリオウイルス、スローウイルス感染
2.神経栄養因子の欠乏説
3.自己免疫性説
4.グルタミン酸過剰説
5.フリーラジカル説
◎ 遺伝説が正しい