あらゆる存在はゲシュタルトですから、

・・・・・・・・・・・・・・苫米地氏・・・+時空研・・・2

「私」なるものも関係性によってその意味は変わってくることになります。つまり、自分だけが自分勝手に「なりたい私になる」などと言ってみても、他との関係性によって意図したものとはまったく異なる「私」になってしまうことがあるのです。

 「私はハ長調の主音である「ハの音」になる」と思っても、曲全体がハ長調じゃなければ、自分だけが主音だと勘違いしながら不協和音を発し続けることになってしまうわけです。
自己実現(自己だけ実現)」とか「なりたい私になる(私だけが勝手になりたいものになる)という考え方がいかに無意味であるか、いかに間違った考え方であるかを「空」「ゲシュタルト」という概念とともにもう一度見つめ直してほしいと思います。

   瞑想は苦行ではない。わくわくするほど楽しい

「止観」とは瞑想でもあります。心の動きを止めて自分自身を見つめる作業、これは即ち瞑想です。

 煩悩を止めていろいろな宇宙を瞑想で体験する。自分とは、自分と自分以外のすべての関係のゲシュタルトですから、自分を見つめるというのは、宇宙を見つめることでもあります。これが「止観」の基本です。

 では、瞑想とは何か。

 瞑想とは端的に言えば、「抽象度の高い空間を五感を使ってリアルに感じること」を言います。抽象度の高い空間ですから、この世の出来事によって惑わされるような雑念はここにはありません。
 「今日のごはんは何を食べようか」「次のボーナスはいくらもらえるんだろう」といった思考は雑念です。

 ですが、瞑想はこの世の雑念よりも高い抽象空間をリアルに体感して、そこに生活してしまうことです。

 人間は抽象度の高い思考をリアルに感じることで大いなる快感を得ることができます。それは人間の脳がそれを可能にする構造を持っているからです。

 抽象的な思考は脳の中でも前頭葉前頭前野と呼ばれる場所でなされます。

「今の自分が大嫌いです。自分を変えたいんです」と言ってやってくる人がいます。でも、それでは何も変えられないのです。大嫌いだと思っていた自分が、じつは最高の自分だったと気付くこと。夢の実現の第一歩はそこから始まるのですから。

 このように仮想現実と生身の体がホメオスタシス・フィードバックするということは、相手の内部表現を書き換えることができれば、相手は曽於書き換えられた内部表現が仮想現実であったとしても、それに対してホメオスタシス・フィードバックが働き、体が反応を起こすということです。

 仲良しノウハウの進化
 氏名相手之心 生気体
        82兆細胞  ←新しい内部表現=イ入れ
        脳一切
   イは自分が相手にこうあって欲しい事。
 

 よくある催眠術も、内部表現の書き換えとホメオスタシス・フィードバックで説明がつきます。

 巷の催眠術師と呼ばれる人たちがどこまで本当に催眠術をかけられるのかは技術のレベルでだいぶ個人差がありますが、かけられる場合は、こう説明ができるわけです。

 「あなたは犬になります。3、2、1、はい」と言われて、内部表現が書き換えられます。
 さて、ホメオスタシス・フィードバックは外界の環境と生体とのフィードバック関係ですが、外界の環境というのは周囲の人間も含まれます。

 よくいわれる例として、複数の女性が長く一緒に生活していると、月経の周期が一致してくるという研究発表があります。これはお互いの体がホメオスタシス・フィードバックを起こして同調した結果と考えられています。

 このときの情報伝達は匂い物質がかかわっているとされ、その物質はフェロモンと名付けられています。

 このとき、どのような同調が起こるかというと、“大きいもの”のほうに小さいものが同調していくことになります。実際は大きいほうもちょっとだけ小さいほうに同調するのですが、微々たるものと言えます。両方の平均値に近づくと考えればわかりやすいでしょう。

 情報的身体を大きくすれば、まわりが勝手に同調してしまう

 ここでホメオスタシス・フィードバックは仮想現実に対しても起こるという事実を思い出してください。つまり実際の体の大きさだけでなく、

“情報的身体”がより大きいほうに小さいほうが同調していくのです。

    情報的身体を大きくする大周天という方法
 まず、大きな地球をイメージします。そこに自分の体が巻きついていくというか、自分が地球を抱え込む状態をイメージしていきます。

 顔を北極点に置いて、右手の指先をニューヨーク、左手の指先を東京に置いてみましょう(もちろん、他の場所でも構いません)。

その状態でお腹をつけてみると、おへそがハワイあたりにくっつくことでしょう。

 次に右足のつま先をブエノスアイレス、左足のつま先をシドニーあたりに置いてみましょう。

 これで、地球という大きなボールを抱え込みました。

 あなたの身体は情報空間のなかで巨大化しています。

 しっかり、内部表現まで書き換えられるほどリアルにイメージしてみましょう。

 あるいは、地球なんてちっぽけなものではなく、宇宙の始まりから終わりまでイメージできれば、最高に大きな情報的身体ができあがります。そこに巨大な気をめぐらせることができれば、大きな自分のできあがりです。

 大きな自分ができあがれば、あとは普通にコミュニケーションするだけで、まわりの人たちが自動的にあなたに同調してしまいます。

 同調した状況下で、こうしてほしい、こうありたいと強くイメージすれば相手はそうなるように動き出すわけです。

 空間をコントロールすれば情報的身体を大きくできる

 空間の圧倒的支配者になれば、強い親近感を抱かれる

 空間の支配者、コントローラーになると、必ず「ラポール」という現象が起こります。「ラポール」とは空間の被支配者が支配者に対して強い親近感を持つことです。

 たとえば医者と患者とがいたら、その空間においては医者のおうが支配者で患者は被支配者です。
 患者はこの人に治してもらおうと思っていますから、どうしてもコントロールされやすい状態になります。この思いが強ければ強いほど「ラポール」も強くなります。

 ラポールによって起こる典型的な例が「ストックホルム症候群」です。

 1973年、スウェーデンの首都ストックホルムで銀行を強盗が襲い、数人の人質を取って立て籠もりました。
 犯人グループと警察とは何度も衝突を繰り返しますが、結局人質が解放されたのは事件発生から1週間後のことでした。

 ところが、無事に解放された人質たちからは、憎むべき犯人グループを擁護するような証言が相次いだのです。

 それだけでなく、本来なら感謝されるはずの警察を憎むような発言まで飛び出しました。

 さらに驚くべきことに、事件解決後、人質の一人が犯人グループの一人と結婚してしまったのです。