「真理の自覚」

 釈尊は自己の実相が“神の子”であり、久遠不滅・宇宙普遍の“久遠の本仏”と一身同体なる真理を悟ったとき、「天上天下唯我独尊」と自己を称歎せられ、“覚者”即ち“仏陀”となり給うたのである。


イエス・キリストは自己の実相が“神の子”であり、宇宙普遍の真理と同体であることを悟ったとき、「われは真理なり、道なり、生命なり、我に来る者は死すとも死せず……われはアブラハムの生まれぬ前より或る者なり……」と宣言せられ、
「汝らは真理を知らざるべからず、真理は汝を自由ならしめん」と我らすべての人間に対して呼びかけられたのであった。

 このようにして釈尊の自覚も、イエス・キリストの自覚も、結局は同じき真理の自覚であったのである。

“真理を自覚する”とは、自己が宇宙普遍の唯一最高の実在者たる“神”の「自己顕現」であるという「自己の本質」すなわち「自己の実相」を自覚することにほかならないのである。

その自覚を得るとき、その人は「神の世嗣」たることを得るのである。それゆえに、その自覚を得たるときその人は完全なる自己解放を得て、「天上天下唯我独尊」と宣言することが出来るのである。 尊師