1. 夢の正体は蓄えられた記憶だ!

   ヒトはなぜ夢を見る?

 実は、夢のメカニズムについては、まだ、不確かな部分が多い。しかし、眠っているときもわれわれの脳は、完全に休憩しているわけではない。からだ同様、脳もすっかり眠ってしまったら、心臓や肺も止まってしまう。中でも大脳は、睡眠中もしばしば活発に活動する。特に、夢を見ているときには、大脳辺縁系と視覚野が活発に活動していることが分かっている。つまり、われわれは睡眠中、脳内の記憶をもとにストーリーを構成し、また、さまざまな視覚イメージをつくり出していると考えられる。

       レム睡眠とノンレム睡眠

 眠りにはレム睡眠という浅い眠りとノンレム睡眠という深い眠りがあり、この2種類の眠りがひと晩のうちに約90分周期で4、5回、くり返されている。眠りが深くなったり浅くなったりしている。レム睡眠のときはまぶたの裏で眼球がピクピク動いていて、覚醒時、読書をしているときの脳波とよく似ている。そしてこのとき、脳の中の記憶がさまざまに結びついて夢になるのだ。

 記憶が呼び覚まされるのであるから、ふだん悩んでいることや不安なことが夢に出てきたり、その日、とてもいいことがあってハッピーな気分ならば楽しい夢を見ることが多い。
      どうして起こる?「金しばり」

「殺人鬼が刃物を持って追いかけてくる!」あるいは「化け物が体の上にのしかかってくる!」という大ピンチ(夢の中のことだけど)なのに、逃げようとしてもからだが動かない!助けを呼びたいのに声が出ない!‥…これが、俗に言う「金しばり」現象だ。この状態は、寝入ってすぐ、あるいは目が覚める直前の、レム睡眠時に起こる。もちろん心霊現象などというものではなく、

レム睡眠時の特殊な場合に起こる睡眠麻痺と呼ばれる生理的な現象だ。脳はほとんど起きている状態なのに、からだ(筋肉)は、ゆるんでぐったりしている状態だから、すぐに動きがとれないのだ。金しばりの状態は、数秒〜数分続くが、徐々に、あるいは突然に回復する。声をかけられたり、軽く揺り起こされたりして、戻ることもある。

 不規則な睡眠習慣や睡眠不足、心身のストレスが溜まっているときに起こることが多い。

・・・憑依現象の方が多い。浄化すれば消える