崩壊するユーロ

朝倉氏
 ギリシア危機が止まらない様相を帯びてきました。4月28日に、ギリシア2年物国債の利回りは何と驚くことなかれ38%となりました。
 サラ金より高い金利でしかお金が工面できないのですから父さん状態は明らか。

 ギリシアGDPのおよそ半分、日本でいえば250万兆円という融資です。如何にギリシアが途方もない状態であるかわかります。

 ギリシアが破綻すれば、EU諸国は自ら破綻してしまうのですからたまりません。何が何でもギリシアが破綻していない状態を繕うしかないのです。

 もしギリシアが手を挙げて、もう借金は払いません、と言おうものならまさにこれらの国も連鎖倒産、金融危機の再来となるのです。
 これらEU諸国の融資はすったもんだの末に結局は行われることでしょう。

 問題はECBが現在、ギリシア国債を連絡担保として取っている状態がどうなっていくのか?ということです。

 今の基準ではECBの担保から外すしかなく、そうなれば、ギリシア国債を大量に保有している欧州の大半の銀行が新たに膨大な資金手当てに走るしかなく、これはかつてのリーマン・ショックのように持てる資産の叩売りを起こさずにはいないでしょう。

 各国の銀行は自国のGDPの3−4倍も域内に貸しこんでいるわけですから、いざ景気が悪くなれば、金融機関が危機に陥るのは目に見えています。

ギリシア問題は氷山の一角、もしくはもっと広範囲にわたる財政問題が潜んでいることを知らせる炭鉱のカナリアに過ぎない」

意外や意外、株式相場は極めて強いのです。一方で大きな悪材料を抱えながら、一方で強い指標と経済の回復、この兼ね合いをどう見るか?という判断になるのですが、私は「相場は相場に聞け」の格言通り、この強い株価の動きはまだとても終わらないと感じています。日本では連休明け後高値を抜くと思います。

ドル、ユーロ、円、ポンドすべて問題を持っています。まさに弱さ比べです。
私は今のところ本格的な混乱はまだ先、株価はさらにヒートアップし、債券安(金利高)が極限までくるところまで行くと思っています。極限まで来れば株も暴落となります。

とにかく注目はソブリン・リスク、国家破綻です、そういう意味では常に債券相場には注意してください。まだ当分は日本国債も大丈夫と思いますが、ギリシア国債が一気に暴落したように、日本の国債も暴落も来れば一気にきます。

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