堕ちたECB
朝倉氏
元々、ECBは、米国のFRB(米連邦準備理事会)やその他の国々の中央銀行に比べて、インフレに対する警戒感は歴史的に強かったのです。
ついに「禁じ手」とされていた国債の買い取りに追い込まれ、いよいよECBは規律を失い、ユーロと共に奈落の底に落ちていく様相です。
現実にギリシア国債の格下げが起こると、態度を一変、今度は格下げされたギリシア国債であろうと例外的に担保として取る!と180度、豹変しました。
ギリシア支援の提供者としてIMF(国際通貨基金)を呼び込むのは適切ではない」と述べました。
しかしこれも1ヶ月も経たないうちに方向転換、今まではギリシア救済プログラムはIMF中心に行われることが決まっているのです。
中央銀行が国債、それも今回ECBはジャンク債と認定された投資不適格の国債を買い続けるというのです!
しかし、こんなモルヒネのような政策を続けていればもっと恐ろしいハイパー・インフレという怒涛の波を抑えることができなくなるのです。
現在の危機で際限のない紙幣印刷を続けていれば、やがてハイパー・インフレが来ることはもう識者の中では常識的な考えでしょう。
金(ゴールド)の相場はこれから本領発揮、いよいよ世の中の大混乱までタイムリミットは残りわずかです。
その中で金(ゴールド)だけは見事に新値を取ってきたのです。昨年12月3日の1227ドルを抜いて一気に1249ドルまで上昇、ついにドルペースでも市場最高値を取ってきたのです。これはまだ助走にしかすぎません。今後、驚くような大相場が待ち受けているのです。
本日、再び市場は荒れてきました。ユーロが下げ止りません。株は上がってくると思います。買い手のいなかったこれらの国債を購入した現金がこれから市場に溢れるのです。