テレビの?「偽装問題」は、ここ数年、テレビが徹底的に追求してきたテーマです。建築物の耐震強度からはじまって、食品の賞味期限や産地など、次から次へと出てくる偽装の数々を、テレビはコテンパンにたたいていました。

追及の手はやがてテレビ局自身にもおよび、2007年には「納豆でやせる」というデータが捏造だったことで番組が打ち切りになり、09年には虚偽証言に基づく報道によってテレビ局の茶長が引責辞任しています。

 テレビ局からすれば、「私たちは、それほどまでに情報の正確さを重視しています。だからこそ、偽装問題に対してシビアな姿勢をとってきたのです」というところでしょう。

「ウエスト58cm幻想」の大罪。ささやかで重大な偽装。利益を生むやせ礼賛。「命を大切に」報道が医療を潰す。医療崩壊はなぜ起こったか。

1957年に大宅壮一がテレビを評して使った「一億円白痴化」という言葉は、流行語にもなりました。自殺報道が自殺をつくる。高齢者は日本に存在しないという姿勢。