米国、南北アメリカ田中宇氏 90%

 不況と失業増、財政難による福祉削減と増税で、米国民は前代未聞の苦境に陥り、米国には怒りが渦巻いていると、米分析者が指摘。米経済の立ち直りまでに10年以上の時間がかかるだろうとの指摘も。すでに政治家に対する銃撃も起こり、今年は米国が「反乱の夏」になるかも。

 全米諸州が財政難に陥り、連邦政府に資金援助を求める動きが始まりそう。だが連邦政府も財政難で予算削減を検討中、救済余力は少ない。連邦が諸州を救済すると連邦の財政赤字が増加。

ドルと米国債に対する信頼が低下する。連邦が諸州を救済しないと、各州で経済成長が止まり、社会不安と政治混乱が拡大する。どちらの選択肢をとっても米国にマイナス。窮乏するアメリカ。

 米国の見掛け倒しの価値創造のシステムは後戻りできないほど肥大化し、いずれひどい経済収縮が起きると、レーガン政権の元財政担当者が指摘した。

軍事費を大幅削減すべきだと。冷戦後、米国が毎年8千億ドルも軍事費をかけて防衛せねばならないような軍事脅威は世界に存在しない。アフガンもイラクも占領戦争は失敗が確定したと、米政府の現状を批判。

 米国で連銀の救済策で金融界の高所得者がいっそう豊かになり、ルイヴィトンやポルシェなど超高級品の売上が急増している。

半面、中産階級の実質失業が増え、ウォルマートなど一般向け小売が不振。失業率は戦後最低。貧富格差が急拡大。大企業だけV字型回復、一般市民はL字型の貧困固定化。

米国内で反政府武装ゲリラが合法的に組織される動きがある。米国民の怒りが蓄積されている。