革命の利器の発達 

フェイスブックや、ツイッターなどの新しいメディアが普及している昨今、民衆の不満の爆発はまさにインターネットの力によって一気に広がり、「不特定多数」の民衆の自発的参加による大反乱の発生に発展するのである。

 組織的動員型の革命の場合、一部の活動家が時間をかけて組織を作り、さらに時間をかけて民衆の説得・動因を行わなければならないし、その準備段階において体制によって潰される場合が多い。

しかしネットでの連携による反乱となれば、独裁政権が事態を把握して対策を取る前に、反乱はあっという間に燃え広がり、見る見るうちに政権の対応可能な範囲を超えて大規模な民衆運動となって独裁政権を一気に窮地に追い込むことが出来るのだ。

それは、まさに今回の「エジプト18日革命」の示した通りの展開である。

 言ってみれば、独裁体制の下では反乱の起きる可能性が常に存在しているが、インターネットという「革命の利器」の発達が、反乱の発動と広がりを容易にして革命に現実性を与えてしまうのである。

勿論、経済状況の悪化による民衆の窮状と不満の増幅も、広範囲の大反乱が起こる前提条件ともなっている。
 エジプト革命に例を見た、このような「新型革命」への考察を踏まえて、現在、世界最大の独裁国家である中国に目を転じてみると、今の中国もまさに、次のエジプトとなる可能性がもっとも高い国となっているのではないかと思う。