米連銀

田中宇氏 80%
 米連銀では、バーナンキ議長が、ドルを大増刷して米国債を買い支える量的緩和策(QE2)を、6月の期限後にQE3へと延長する勢いだが、連銀内では、理事たちの間でQE3への延長に反対する動きがある。

経済成長が続いた場合、2−3人の理事が反対に回る「反乱」が起きそうだ。

米国債の買い支えは、ドルにとっても米国債にとっても不健全で、投資家からの信用を減退させるが、半面、QE2を延長せず止めてしまう場合、米国債の買い手がいなくなり、長期金利の高騰や米国債のデフォルトという悪夢が待っている。

理事の反乱が起きてもバーナンキの独裁でQE3へと延長され、不健全を拡大していくのではないか。その分、いずれ起きる米国債破綻時の被害が大きくなる。

 食糧高騰に怒る国民の反政府暴動が中東各地に拡大するのを受けて、サウジアラビアアルジェリアの政府が、自国民への怒りの感染を抑止しようと、小麦などの食糧類を米穀物会社カーギルなどから大量に買い付けている。
バングラディシュやインドネシアなど東アジアのイスラム諸国も、国際市場でコメを買い集めている。小麦の国際価格は2年半ぶりの高値となっている。

 食糧高騰に怒る暴動によって、さらに食糧が高騰している。著明投資家のジム・ロジャーズは、新興諸国経済の成長が続くと、食糧や原油など国際商品の相場はもっと上がると予測している