賞味期限切れの欧米中心型金融システム

 欧米の金融機関はいま、ICU(集中治療室)に入って生命維持装置をつけられているような状態である。中東やシンガポール、あるいは中国、ノルウェーの国富ファンド(政府系投資ファンド)に依存しつつ、なんとか生きながらえている状況だ。

 金融恐慌にいたるプロセスで失ったものは、住宅の価値や金融機関の時価総額だけではない。最大の問題は、格付け制度やモノライン保険といった、長年にわたって欧米の金融システムを維持してきた制度そのものの金属疲労(=賞味期限切れ)が明らかになってしまったということだ。

 一立方メートルのメタンハイドレートを解凍すると一六四立方メートルのメタンガスに変わるのだが、石油、石炭に比べ、燃焼時の二酸化炭素排出量は半分にすぎない。地球温暖化対策としても有効な次世代エネルギーなのだ。