ギリシャ危機とS&Pの役割朝倉氏 85%

 S&Pの今後の日本に対する動きには注意が必要。

ギリシャが再興できるわけがないのです。
素人でもわかる破綻計画を押しつけて、努力させることだけを見せるようにして、結果的にIMFの支援を受けても破綻に至るわけです。
一生懸命やったがどうしようもなかった、という言い訳作りをしているだけで、結果はいつも失敗だらけ、これがIMFの支援策の今までの歴史です。

 このようなプランを作った当のIMFの担当者でさえ、ギリシャは当時から間違いなく破綻に至ると感じていたに違いないのです。

 こんなわかりきったことをして破綻を1年とか2年、3年とか先延ばしするだけの話にすぎません。ですからこんな簡単なゲームはないのです。

 最後はギリシャは国家破綻に陥るわけです。最終地点はそこです。決まっています。小学生の子供でもわかる結末です。そうなればある時点から、ギリシャ国債を売りたたくとか、ギリシャ倒産保険であるCDSを買い上げればいいのです。こんな簡単なゲームはありません。

ギリシャ破綻に賭ければ必ず勝利が舞い込んでくるのです。これをやっているのが、ヘッジファンドです。

 もし上手くいかなくても大丈夫、確実にギリシャ国債がデフォルトするからです。攻め方は一つです。格付け機関です。適当に国債を売りたたけば、今度は予定通り格付け機関が格下げをしてくれるのです。

 そしてさすがに、この最後の5月9日のS&Pの格下げにはギリシャ政府も怒ったのです。これこそもっともな言い分です。ギリシャは3月29日から5月9日まで何も変わっていませんし、1ヵ月では変われません。

 まさにヘッジファンドとグルになって、格付けを上手く利用して金儲けのネタにしているだけです。格付け機関など、ヘッジファンドと欧米金融機関の手先であって、相場操縦のグルと言っていいでしょう。

 ただ我々が注意しなければならないことは、格付け機関がここにきて積極的に日本国債の格下げを示唆するようになってきたことです

 明らかに日本国債の暴落は視野に入ってきていて彼らはタイミングを窺う体制にあると思わなければなりません。

 世界的なインフレ、債券の暴落は避けることはできませんし、2012年をターゲットにして、もう予定に入っているはずです。

そのS&Pが米国債の格下げを示唆する(ネガティブ)にしたということは、大がかりな仕掛けが潜んでいると見るべきです。