予想より早い復旧 

当局が通信の復旧に苦労している中でさえ、被災地一帯では家を失った従業員たちが水浸しになった生産ラインを掃除したり、泥まみれになった事務所から大事な書類を回収したりする様子が見られた。

 それから数ヵ月間で、大変な努力と企業同士の協力によって、当初可能だと思われたよりもはるかに早くサプライチェーン(供給網)が復旧した。地震で損壊した工場の大半はフル稼働に戻っている。津波でほぼ壊滅した地域でさえ、商業の静脈と動脈を復旧させるために、企業のオーナーや経営幹部が果敢に努力している。

 海辺の南三陸町は、部分的にしか瓦礫が片付けられていない、コンクリートのビルの残骸が点在する平野だ。

だが、地元の起業家たちは年末までにプレハブ建ての新しい商店街をオープンする準備を進めている。海産物加工工場と魚屋を津波に流されたミウラ・ヒロアキ氏は、商店街の事務局は仮設住宅に散り散りになった地域社会の新しい核を作ろうとしていると言う。「町には商店街が必要だ」と同氏。