オリンパス事件に見る世界の闇朝倉氏 90%

 全ての発端はこのバブル期の常軌を逸した日本国民の向う見ずな投資にあったわけです。

そしてバブルが崩壊して、4万円だった平均株価は1万4000円まで暴落、同じく地価も大暴落、2年間で日本ではおよそ1000兆円という膨大な富が失われたのです。オリンパスの1000数百億円なんてかわいいものです。

 ところが面白いことに、この1000兆円が失われた1990年から1992年の2年間に大きな企業倒産は一つとして起きませんでした。

 そんな富が失われたら、それこそ上場企業、金融機関に限らず全国で倒産が続出することでしょう。1990年台初頭にはそれが全く起きなかったのです。バブル崩壊後、2年で1000兆円も失われたのに大規模な倒産の一つも起きなかったのですよ!驚きでしょう!

 これこそ、実は謎でも何でもない、まさに日本中で粉飾決算が堂々となされたのです!全ての不良債権を国家ぐるみで封印したのです。 楽観主義のごまかしの上に粉飾のコンセンサスが日本中で成り立っていたのです。当時のお目付け役の大蔵省は、これを見て見ぬふり、まさに官民一体となった損失先送りによる日本救済劇だったのです。
 一向に経済は回復せず、日本全体はさらなる深みに陥って、最終的な不良債権の処理に追い込まれていったのです。まさに、当時の山一證券の倒産劇は、公的資金導入のための国家による茶番劇、国民にショックを与えて大規模な公的資金導入を図る、世論誘導を目指したのです。

 ここで一点指摘しておきたいことは、では、日本のバブル崩壊の比ではなかったリーマン・ショックの傷跡が本当に癒えていると思いますか?という視点です。

 リーマン・ショックの時はその基となったデリバティブの想定元本は6京円、何と1兆円の6万倍もの金融爆弾が崩れたのですよ!日本のケースの比ではなかったのです。

まさにオリンパスが使ったタックスヘイブンケイマン諸島やバージン諸島に膨大な損失が隠されていると思っていいのです。 

タックスヘイブンであるケイマンやバージン諸島には、世界各国主権が及びませんから、捜査することができません。損失隠しのためにタックスヘイブンのファンドを巧みに使っています。

 こうして日本の投資家は海外のファンドやペーパーカンパニーを使った飛ばしや損失隠しに邁進していったのです。
 今回のオリンパスの事件での舞台となったケイマン、バージン諸島にこそ巨大な闇、世界を震撼させる損失が隠されているのです。
 一体、昔の損失はどこに消えたのでしょうか?サブプライムを含む証券化商品は、自分で好きに評価して決算に反映してよろしいというのですから、開いた口が塞がりません。

 このように欧州情勢は悪化するばかりで、一向に回復の兆しは見えないのです。このままユーロ圏の崩壊に至る流れが絶対と思っていいでしょう。ユーロは歴史的な大崩壊に向かっていくのです。

 一方、日本の株式市場と違って、米国市場は堅調です。