歴史とは増田氏 90%


 無理して動かした社会は無理が出来なくなった時、元に戻るという人間社会の摂理である。人類は他の動物と異なり「無理(挑戦)をする宿命」を持つ動物である。人類の歴史は正に「無理を重ね続けてきた歴史」なのである。人間に無理を強いる要因は人間の「欲望」である。こうした潮流の中で今日までの歴史を否定して、無理の無い個人と社会を構築する時が来たのである。

 1990年代の不況を「歴史の終わり」と認識せず、バブル再現を試みたのが「グローバル化」であった。それは正に16世紀の大海洋時代と同じく20世紀の「大グローバル海洋時代」への船出であった。

しかしグローバル化は一時的資本の産婦には効果があったが格差を利用して金融資産を奪い続ける1%と格差拡大の犠牲者99%を出すことになった。その結果、アメリカもヨーロッパも財政破綻と社会秩序の崩壊危機に直面している。今や先進国の金利は総てゼロ金利に接近。

中世封建時代がゼロ金利になって終焉したように今21世紀を築いた近代資本主義も終わろうとしている。

 今世界は目に見えないテロとサイバー・テロの攻撃を受けている。世界が今日まで築き上げてきた軍事力も核の抑止力も何の用もなさなくなってきた。

   改革、改善は時代逆行!革命あるのみ! 

アメリカが大革命を起こすならアメリカは再生する。ではアメリカの革命とは何か。それを答える前に「歴史の終わり」で世界経済は総て破綻に向かうのかという問題がある。

 仮需要で煽られながら成長を続けてきた時代とは異なり限られた空間の中での限られた存続を可能にする時代である。世界は有限の陸地に向けて「陣取り合戦」を繰り広げることになる。

 アメリカが今すぐ成すべきことは経済・政治上実際以上の評価(バブル評価)の清算である。アメリカは今経済バブルの温床であったNY市場を急速に縮小してバブルを押さえながら、10年間で約200兆円の歳出削減で経済規模をも縮小している。

一方、アメリカは大陸進出(投資)先の安全確保のため2011年になってチェコポーランド、インド、トルコ、オーストラリア等に戦艦の母港やミサイル迎撃基地の建設合意を得ている。

 1999年にドル市場であったヨーロッパにユーロを単一通貨として導入することに何故アメリカは反対しなかったのであろうか。当時も現在もヨーロッパは世界最大の市場である。アメリカは何故ドルが世界最大の市場を失うのにむしろ歓迎したのだろうか。

それは今日ヨーロッパ株式市場ユーロ・ネクストがアメリカとドイツに支配されていることを見ればわかる。アメリカはドイツのヨーロッパ支配、ヨーロッパ帝国の野心を元より知っているばかりか共謀していたのである。

ヨーロッパの株式市場を支配下に入れた後はドイツと提携してヨーロッパ各国の主権をEUに一本化し市場と主権を統一することがアメリカの「陸の時代」の狙いであった。ムーディーズのヨーロッパ各国の国債格下げでユーロ売りを加速させ国際スワップ協定で腫瘍6カ国の中央銀行を通してユーロをドルに切り替えることですでにヨーロッパにおけるドル支配は強まっている。

 従ってヨーロッパは遅かれ早かれEUに統一され各国の主権は衰退する。ヨーロッパが統一され各国の主権が制限され財政規律が強化されると国際収支も財政も黒字化するだろう。ヨーロッパのドイツ化である。EUが双子の黒字化すれば国債資金はEUに集中しEU経済は安定的に成長に向かうだろう。

 中国のバブル崩壊の終焉に依り富の配分の格差拡大にもストップがかかるだろう。長期円高が後押しして日本企業は海外直接投資、M&Aや海外への生産拠点の移転が続いている。日本は他の先進国に先駆け「プロジェクト輸出」を推進している。
海外プロジェクトを通してあらゆる単品、機材、設備、サービスを円高に影響されることなく輸出できる。日本は他の先進国に先駆けて20年前から「大陸の時代」に入っている。

 今のところサイバー・テロに対抗できるサイバー技術ということになるが、圧倒的に攻撃する側が有利であるためサイバー・テロに対する安全保障は無い。サイバー・テロの野放しは世界の経済、政治の安全保障が無いことになり、「やった者勝ち」、「盗られ損」となって世界の秩序が失われて行く。今や何時被害がわが身を襲うのかという不安が総ての人々に広がっている。

 不安と恐怖の時代到来で安全と福祉を求める国民は「寄らば大樹の陰」となる。規制緩和、自由拡大、自由競争、成長志向のための「小さな国家の時代は終わった」のである。

 市場統合と市場の衰退化 

ヨーロッパの例で見たように27カ国が必然的に統合へ向かっている。これから「陸の経済」が進行するに従ってデリバティブなどの金融商品は消え去るだろう。今後、商品市場は衰退の一途を辿ることは間違いないのである。

       革命でむかえる新しい時代 

ここで中国をはじめとした「新興国がやがて日本やアメリカのような先進国になることはない」理由を述べておこう。屁理屈になるが「新興国、途上国無くして先進国無し」なのである。世界経済は先進国と後進国(途上国、新興国を含む)の交易関係で成り立っている。

 つまり今後先進国からの資金流入によるマネー・バブルは起きず、後進国ではバブル三行(住宅等)が売られ製造産業が買われることになる。

   大阪府知事、市長選に見た日本の先進性 

今世界は中央、地方政府に限らず財政破綻の方向へ向かっている。これは世界的傾向である。経済破綻に向かってきた原因は言うまでもなく今までの国家成長戦略以外の何物でもない。

グローバル化でマネー、人、モノ、サービスが国境を越えて世界の隅々に飛び交ったことで世界中が活性化し経済成長に拍車がかかったのである。
アメリカ発のバブル成長戦略は世界の隅々まで行き渡り世界を過剰成長とインフレ経済に追いやった。その間20年以上に及ぶデフレを続けてきた日本だけはアメリカからの悪影響は受けなかった。

 しかし日本政府は日本の国債がほぼ100%国民に保有されている強みと安心感から日本の国の借金はGDP比200%を超えるところまで悪化している。

国の財政悪化は地方に及び財政破綻一歩手前の建や市場村が増加している。橋下氏の大阪維新の絵画、今までの小さい政府の常識から、新しい時代のあるべき大きい政府に力強く踏み出したことは先進的モデルとなるだろう。

       これだけは自覚しておこう
1. 世界に成長神話は無くなった。先進国の経済成長が止まったことで後進国の輸出が減るので後進国の高成長も止まる。
2. 成長のための金融政策(バブル政策)が無効になったので金融市場が縮小する。
3. 資金の投資対象が仮需要から実需に向かうので市場のボラティリティーが縮小し(乱高下がなくなり)市場の魅力が低下する。
4. 先進国も後進国も「増税時代」になる。経済成長が止まる一方、高福祉を維持するためである。
5. 大きい政府へ向かうと共に保守的思想が強くなる。市場統合、国家群統合、大阪の都構想などは権力集中で革新ではなく「保守」であること。
6. 陸の時代は海から大陸への投資であり投資国の通貨が高いほど有利になる。円高立国、日本!
7. 世界経済の牽引役は金融からモノ造りに移る。
8. 日本を襲った津波により沿岸の大都市の移転が起こる。大都市のリストラ!
9. 資金の安全地帯が紙の金融証券からゴールドに移る。
10.「日本目前の大陸」シベリア(ロシア)

何に投資すべきか
 亮から質の時代を迎えた今、従来の成長をベースにした投資方法は変えなくてはならない。人々は安心と安定を求める。資源、農産、食糧、医薬、医療、健康、スポーツ、娯楽、ネット市場、流通、旅行など生活を支える基幹産業が中心になるだろう。

    二歩先を知った者が一歩先に成功する

 今までは政治も経済もバブル的志向で捉え、また考えられてきたから常に不確定要素が伴った。より確実な情報からより多くの人々がより確かな見通しが出来るようになる時代である。非成長時代になったことを自覚する。

 為替でいえば円高は日本が陸の時代を生き抜く上で最も重要かつ必要なことである。アメリカという「資本のオリンピック競技場」が今や閉鎖に向かう時、日本は「モノ造りのオリンピック競技場」である中国に参加しなくてはならない。