暗黒物質「ダークマター」と「ヒッグス粒子」、正体は同じ?阪大教授が新理論、証明されれば宇宙は5次元以上

 ヒッグスは、質量の起源とされ、普段は姿を現さないが、他の粒子の動きを妨げることで、質量が生まれるとされる。
一方、衛生の観測などから宇宙は、光を出さず安定した暗黒物質で満ちていると予想されている。細谷教授は、宇宙が時間と空間の4次元ではなく、5次元以上であると考え、様々な粒子が力を及ぼしあう理論を考えた。
「その結果「ヒッグスは崩壊せず、電荷を持たない安定した存在」となった。

 ヒッグス粒子は世界の研究者が50年近く探し続けている。発見されれば素粒子物理の標準理論に必要な素粒子がすべて出そろい、理論が完成する。歴史的な快挙に注目が集まったが、データが足りず確実に発見したとはいえないという。

 同粒子は宇宙誕生の100億分の1秒後に、すべての真空を満たすように宇宙全体に広がって「ヒッグスの海」をつくったと考えられている。それまでクォークレプトン等の素粒子は、重さがなく真空中を高速で飛んでいた。

ヒッグスの海ができると水のような“抵抗”を受けて動きが鈍り、質量が生まれた。同粒子は今も空間を満たしているが、光子はヒッグスの抵抗を感じないため高速で飛べる。

素粒子物理学の標準理論> 

すべての現象の基本となる素粒子の反応を説明する理論。クォークを結び陽子や中性子をつくる「強い力」、磁石や静電気に働く「電磁気力」、粒子を変化させて反応を起こす「弱い力」の三つの力を扱い、ほとんどすべての実験に合致する。

一方で、素粒子の質量がなぜその値なのかを説明できず、重力も含まれないなど課題もある。