スポーツ心臓

普通、心臓が大きくなったり、心電図の異常を示すことは心臓の疾患の存在によりますが、この『スポーツ心臓』は病的なものではなく、強度のトレーニングに対する適応現象と考えられています。

スポーツ選手は脈拍が遅くなる徐脈の傾向があります。一般人の安静時の一分間の心拍数は60から100が正常とされていますが、よく鍛練された選手の安静時の心拍数は40以下のことがめずらしくありません。

ちなみにスポーツ選手の報告された最少心拍数は25です。この徐脈の程度は運動の強度、継続時間と関係し、持久性を要求される競技種目ほど著明であるとされています。

この徐脈は、日常のトレーニングにより、自律神経系の調節機能が変化し、心臓に対して抑制的に作用する迷走神経が緊張状態の傾向になったり心臓に対して促進的に働く交感神経活動の低下、その他の原因が複雑にからみあって関与しているとされています。