破綻の日を待つギリシア朝倉氏 85%

 ギリシアの債務問題が再び迷走しています。実際、いつ突然のデフォルト宣言がでるか予断を許さない様相なのです。

 今のギリシアは、まさに“飼い殺し”状態。破綻すべき国家を破綻させない、破綻している経済を直視せず、回復できるという不可能な希望を持たせて、ギリシア国民並びに家を飼い殺しのように持っていっている現状が、悲劇をますます大きくしている模様です。まさにギリシアは独仏を中心としたユーロ圏の主要国の利益のために翻弄されているのです。

 いよいよ破綻秒読みのギリシア国家。しかもこのスキームで問題の債権カットを迫られるのは常に民間側で、当事者であるIMFとECN(欧州中央銀行)は債権カットを行わないと主張。IMFとECBは我知らぬ存ぜずという態度です。

 このギリシア債務返済のための今回の詳細な計画ではもう、これは完全に末期症状だということがはっきりとみてとれるのです。なにしろ3月には国債の大量償還が迫っていますから、何としても話をまとめなければギリシアはデフォルトとなってしまいます。そしてついに、民間の銀行側は、ギリシア国家の資産の差し押さえを要求してきたのです。

 昨年暮れに行われた50兆円にも上るECBによる資金供給が今のところ功を奏しているようです。

 仮に軍事衝突が起きた場合は、石油価格の急騰から、インフレ勃発、あっという間に世の中が変わります。この問題は日本にとっては昨年の地震以上の衝撃で、年内どの時点でも気を抜くことはできません。この危険性はかなり高い、と覚悟しておいた方がいいでしょう。

 非常に皮肉なのですが、日本国債の信用度を示すCDSの取引ではすでに昨年の東日本大震災の時を上回って1.5%という数値をつけているのですが、これとは反対に日本国債は買われているのです。

買われていつということは主に外人投資家の日本投資を続けることができず、やむなく消去法的に日本国債の購入と相成っているわけです。

信用がなくなってきているのに買われるというのは、非常に危険です今年は大波乱の年で、どこでどのような大変化が起きてくるか予断を許しません。私のスタンスは、一貫してインフレへの備えです。