椎骨脳底動脈解離とは

 動脈の壁は内膜、中膜、外膜の三層構造から成り立っています。

脳の動脈も同じ構造で、この動脈の壁が層と層の間や、層内で裂けて、血流が動脈の壁の中に入る状態を動脈解離と呼びます。
動脈壁に入り込んだ血流が、裂けた動脈壁の内腔側を内腔に向かって、外腔側を外側に向かって押すため、解離部分の動脈の外観は膨らんで、内腔は狭窄することになります。

これを解離性脳動脈瘤と呼びます。狭窄が高度になれば一過性脳虚血発作や脳梗塞を引き起こし、薄くなった外側壁を破綻すれば、出血(多くはくも膜下出血)で発症します。
日本における解離性脳動脈瘤は、椎骨脳底動脈系に発生することが多く、その内でも頭蓋内椎骨動脈に最も多く見られます。

 解離性脳ど動脈瘤は、動脈硬化などの危険因子を持たない、比較的年令の若い世代の脳卒中の原因として重要な位置を占めています。発症の平均年齢は40歳代で、男性に多く見られるといった特徴があります。

原因としてカイロプラクティックや頸部の捻転を伴う様々なスポーツや運動、軽微な外傷などが引き金になったと考えられるもの(外傷性)と、明らかな原因が不明の特発性(非外傷性)のものと分けられます。

☆ 時空研カルテあり