下肢リンパ浮腫

下肢リンパ浮腫は足がむくむ病気のひとつです。感染や、生まれつきのものや原因不明のものもありますが、リンパ液の流れが悪くなることで発生します。

とくに婦人科・外科における腹部手術の施行後、数年間経過してから次第に下肢に浮腫が生じてくることがあります。下肢にリンパ浮腫が発生すると歩行に支障が生じるため、日常生活上の自由度が制限されます。

さらに、下肢においては感染が生じやすいので、蜂窩織炎(細菌による化膿性炎症)の状態に陥りやすくなります。蜂窩織炎をくりかえすと皮膚および皮下組織が肥厚し、象皮症の状態となります。

心臓からは動脈によってたくさんの酸素や栄養素を含む血液が全身に供給されています。組織がその栄養を受取ると、次に静脈が全身の老廃物を心臓に向かって運んでくれます。

リンパとは、血液を同様に全身にはりめぐらせたリンパ管の中を流れているリンパ液のことで、リンパ管を流れるリンパ液は静脈のような役割をします。

主に静脈で処理しきれない細菌やたんぱく質、過剰な水分がリンパ管に流れ込み、リンパ液となりリンパ節できれいにろ過されて心臓の近くで再び静脈と合流します。

これが正常なリンパシステムです。