活性化マクロファージの働き

  活性化マクロファージは傷や炎症の治癒を強力に促進する原動力であって、自然治癒力の増強を意味する。また、マクロファージは抗原提示細胞として働くので免疫系を強化調節することができる。

 まわりまわってヘルパー、サプレッサー、キラーT細胞の機能が回復されるのである。

また、活性化マクロファージの出すサイトカインが「今から異物排除をはじめるシグナル」として視床下部に伝達され自律神経系(交感神経,副交感神経)やホルモン系に刺激が与えられることで、自律神経調節作用やホルモン調節作用などが見られてくる。

 このように、活性化マクロファージはバランスよくβ—エンドルフィンや副腎皮質ホルモンの分泌を促進する。すなわち、抗ストレス作用が発現する。ストレスが取れると内分泌臓器の腺細胞が動き出し、成長ホルモン、性腺刺激ホルモンやインスリンなどが調節的に分泌され,生理不順が治ったり糖尿病が改善したりする。

 生体内では非自己(異物)を認識して排除する仕事が常に行われている.それによって、肉体において細胞の集団である臓器が全体的に統制のとれた働きをする。

つまり、生体が生きていくための条件である恒常性維持機能が作動され体温の調整、血糖値の維持、血圧を一定に保つ、肝臓,腎臓による異物や老廃物の除去排泄など、統制のとれた正常な活動によって、からだ全体のバランスが保たれ健康が維持されているのである。

  マクロファージの活性化は,生体の恒常性機能の強化および調節(ストレスに打ち勝って、体調を整え、体内の臓器の機能を正常化する)に働いているのである。

老化を考えたとき,当然、免疫系の機能が落ちるので、マクロファージの活性化は治癒系のみが頼りとなろう。
しかし、B細胞も老化してくるので、従来の1yso-Pc刺激ではβ—ガラクトシダーゼが活性化されなくなる。

このように、次第にマクロファージの活性化が落ちて、体内に異物が溜まってくることが老化であり、マクロファージ活性化の程度がヒトの若さ(生命力の強さ)であると考えられる。