糖質制限ダイエットで「寝たきり」が続出中!

「即効性がある」とブームが続く糖質制限ダイエット。だが今、その安全性に警鐘が鳴らされ始めた。

 炭水化物の糖分は体内で中性脂肪に変わり、人間のエネルギー源となる。炭水化物を絶つことで中性脂肪を減らして瘦せる、いたって単純なメカニズムのダイエット法だ。

 糖質制限は、なぜ危険なのか。糖尿病の世界的権威で、関西電力病院院長の清野裕医師が解説する。

 人間には一日170gの糖が必要とされています。そのうちの120〜130gは脳で消費され、30gは全身に酸素などを運ぶ赤血球のエネルギー源として消費されます。糖質は、生命を維持するために欠かせない栄養素なのです。

 糖質を制限してしまうと、代わりにタンパク質を構成しているアミノ酸を、肝臓が糖に作り変えるというシステムが働き始めます。タンパク質を糖に変えられるなら、肉を食べれば問題ないのではないかと思う方もいるでしょう。しかし、人体の維持に必要なエネルギーをタンパク質や脂質でまかなおうと思ったら、毎日大量の肉を食べなければなりません。

 数kgもの肉を毎日食べ続けることは現実的に不可能です。糖エネルギーが不足すると、それを補うために、体は自分の筋肉を分解してアミノ酸に変えていきます。結果、筋肉量がどんどん減っていってしまうのです。

血液もドロドロになる

 「一般的に、糖質制限をするとカロリーを補うために脂質やタンパク質を大量に摂るようになります。すると、血管に悪玉コレステロールが溜まっていく。その結果、血管が傷んだり老化が進んだりして、脳梗塞心筋梗塞を起こす可能性がどんどん高まっていくんです。

 筋力低下、骨粗鬆症動脈硬化が引き起こす脳卒中−さまざまな病気との関係が指摘される糖質制限