原油安という新時代

朝倉氏 フーチ 85%
 原油価格が高止まりする時代は終わった。今後価格が元の水準に戻ることはないだろう。原油価格下落の要因は。
 特に世界的に見ると大きな問題となるのがユーロ圏のデフレ化と中国経済の減速です。

     技術革新による需要減と供給過剰

 経済が成長すれば経済活動が活性化して原油需要は増えるのは当然のことと思われてきました。所が現在ではGDP成長率に比例して原油需要が伸びるのではなく、GDPが増加していてもそれを上回る勢いであらゆる分野の省エネ化が進みつつあるのです。実は、あまりに過剰になってきた、供給の劇的な増加です。

米国シェール革命の現状
 全米での原油生産量をみていくと、おおむね2010年くらいまでは日量500万バーレル程度だったのですが、ここ数年で生産が軌道に乗ってきて、生産量が劇的に増加しつつあります。

 来年(2015年)、米国はサウジアラビアを抜いて世界一の原油生産国として躍り出てくるのです。
 アフリカの産油国が輸出先を求めてアジア各国へと輸出攻勢をかけてきました。南米産油国も同様です。値下げ合戦で各国の値引きの勢いが止まりません。

 試算によれば、「原油価格が2割下がることによって日本の所得流出は8兆円減少する」ということです。これは消費税3%分を上回る金額です。明らかに原油安は日本人の所得を増やす減税効果があるのです。
 シティー・グループの試算によれば、原油価格が80ドル近辺で推移すると、世界は一日当たり2000億円程度の節約になるというのです。そしてその経済効果は最大117兆円に上ると見積もっています。
 政府、日銀の政策は強引に円紙幣の印刷を行なって国債市場や株式市場に介入して相場を引き上げ、その力で景気に刺激を与えていこうということです。この流れと政策は変わりようもありません。金は売却して株を購入すべきです。