人気の「これだけ健康法」が寿命を縮める?

久保 明氏
加齢とともに問題となる主な病態には、「認知症」と「ロコモティブ・シンドローム」の二つがあります。

一つめの「認知症」は、物忘れがひどくなったり記憶力が悪くなったりして、正常な社会生活を営むことが困難になる病気です。これは「脳の機能の衰え」によるものです。

二つめの「ロコモティブ・シンドローム」とは、骨粗しょう症や変形性関節症、筋肉の減少によって体が動けなくなるような状態になることです。これは、「体の機能の衰え」により起こる症状です。

さらに、「ロコモティブ・シンドローム」の中でも、特に、筋力が低下していく症状を「サルコペニア」、高齢者における虚弱を「フレイル」といいます。

サルコペニアであるかどうかは、低めのイスからの立ち上がり方や、歩くスピードである程度判断することができます。
もしも、高齢者が頭はしっかりしているのに脚が前に進まず、一メートル歩くのに一秒以上もかかる(一○メートルで一○秒以上)としたら、サルコペニアになっている可能性があります。サルコペニアになると、介助者や車イスが必要となり、自立した生活を営むことができなくなります。

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・年を経るにつれて腸内フローラの勢力パターンが変わる

腸内細菌は一○○○種類、一○○兆個以上存在し、乳酸菌などのように宿主に対して有益な効果を示す場合には、「プロバイオティクス」と呼ばれます。また「プレバイオティクス」は腸内常在菌のことです。
・カロリー制限で腸の細胞が若返り、免疫力が上がる
幹細胞とは細胞の親分のようなものです。小腸の幹細胞が増えることで若い細胞が増え、消化吸収がよくできるようになり、小腸全体の機能が若返るというのです。カロリー摂取を減らすことによって、長寿に関わる遺伝子の働きのスイッチが入るためと考えられます。

・体は血管から老化する

私たちの体でもっとも顕著に老化があらわれるのは血管です。なかでも、動脈硬化の程度が老化の状態を知るうえで重要となります。コレステロールを多く含んだ単球は、血圧の上昇や血糖の増加によって傷ついた血管内皮細胞の隙間から血管の内膜にもぐりこみ、マクロファージになります。最近、動脈硬化につて新しい事実がわかってきました。糖化によってできた老化促進物質(AGE:終末糖化産物)が付着し、炎症を起こすのです。血管壁が炎症を起こすと、とても壊れやすい状態になってしまいます。そして、炎症部分が破裂すると血管が完全に閉塞していなくても動脈硬化を引き起こすようになります。

認知症はビタミンEで改善
ビタミンEは、カボチャやひまわり油、アーモンドなどに多く含まれています。体内では血中コレステロール活性酸素による酸化を防ぎます。・能力を最期まで発揮して生きる「能力長寿」のすすめ