突然死

 急に倒れて突然死する「心室細動」は狭心症などの心臓病持ちに多発し、胸骨圧迫で命を救え。

      命まで奪う最も怖い不整脈

 心室細動は最も危険な不整脈であり、心臓病による突然死の多くはこれによって起こります。2002(平成14)年に、高円宮殿下がスカッシュという競技の練習中に突然亡くなられた原因も、

この心室細動です。心臓は洞結節という部位から発生した規則的な電気信号によって、リズミカルに拍動しています。

 ところが心室細動が起こると、心室がこの電気信号を無視して反乱を起こしたような状態になります。具体的には、心室の中で非常に速くて不規則な電気的な刺激が無数に発生し、心室全体がけいれんを起こしてしまうのです。

 しかも、心室が細かくて震えているために、心臓から血液がほとんど送り出されなくなります。つまり、心室細動が起これば、心臓が停止したのと同じ状態になってしまうのです。

 そして、脳への血液が途絶えると、わずか5〜6秒で意識を失います。もし、この状態が続いた場合には、数分で死に至ります。