脳の強化書? 終わり

加藤 俊徳氏
     強い欲求は脳内物質が支えている
 欲求は人を前向きにし、行動をうながす作用がありますが、この作用に関係しているのが、ドーパミンノルアドレナリンセロトニンという3つの脳内物質です。

1つ目のドーパミンは、意欲、学習、行動の動機づけに関わっており、脳内で放出されると実行力や集中力が高まります。要するに、「やる気」が出るのです。

2つ目の物質は、ノルアドレナリンです。この物質が不足すると、意欲が低下し、恐怖感、不安感が引き起こされます。ノルアドレナリンも、分泌されると意欲や活力がみなぎるため、やる気の源泉となる重要な脳内物質です。外部からの攻撃やストレスに対して闘争反応を示すので、「怒りのホルモン」と呼ばれることもあります。

 最後のセロトニンは、感情のコントロールや心のバランスを保つ物質です。心の安らぎに関与するので、「幸せホルモン」と呼ばれることもあるセロトニンは、精神を安定させる作用があるので、他の2つのように直接やる気を上昇させるわけではありません。しかし、この物質が不足すると、注意が散漫になり、衝動的になりやすくなります。