3時間睡眠法

 この限られた時間の中で、仕事も遊びも勉強も人並みにしようと思ったら、1日に8時間も眠っている暇はありません。睡眠というのはそもそも、頭の中に入った1日の情報を整理し、さらに成長ホルモンなどのホルモンを分泌して、脳と体の健康回復になくてはならない必須の行為です。

 睡眠中のホルモンの分泌は最初の数時間だけで、たくさん眠っていればそれだけ多くホルモンがでるというものではありません。むしろ、睡眠時間が長ければ「だるい」「覇気がない」など精神的な弊害のほうが大きくなってしまいます。人間にとって必要な睡眠時間は3時間で十分なのです。

なぜかといいますと、レム睡眠とノンレム睡眠の周期が90分ですからそれ以上眠る必要はないのです。ただし、それを実行する条件としては「熟睡」できていることです。

        

 睡眠が脳だけではなく体の疲れも癒してくれます。

疲れは、乳酸という疲労物質が筋肉に溜まりすぎ、それを処理しきれないときにおこります。運動をしたあとにくたくたになってしまうことがよくありますが、これは筋肉に乳酸が溜まりすぎているからです。
     睡眠はホルモンにも関係している

 成長ホルモンは、睡眠に入ってから約90分後のレム睡眠の時、一般的には夜10時から午前2時の間に多く分泌されると言われています。睡眠中にしか分泌されないホルモンは、成長ホルモンのほかに、下垂体ホルモン、黄体ホルモン、甲状腺刺激ホルモンがあります。とくに下垂体ホルモンはノンレム睡眠の発生に深い関係があると言われており、ノンレム睡眠が正常にいかないと深い眠りを与えるレム睡眠もできないことになります。

 成長ホルモンの分泌は20歳を過ぎたころから少なくなってきます。夜更かしして鏡で自分の顔を見ると、肌荒れの凄さにびっくりした経験や、とくに女性は、25歳くらいから肌の色つやが昔と比べて悪くなったと感じたこともあるでしょう。

 さらに、40歳くらいになると中年太りや生殖機能の低下が顕著になり、体の衰えが目に見えるようになります。これは成長ホルモンが関係していて、子供の時は体の成長に欠かせませんが、大人になると、新陳代謝や肌の機能回復、疲労回復に欠かせません。いわゆる、大人になってからの成長ホルモンの役目は、体の機能修復に大きな影響を及ぼします。

 脳が1日に必要とする酸素量は、人間に必要な酸素量の約20%にもおよび、120リットルとも言われています。寝ているときはとくに、脳がその日にあったことなどを整理するための情報処理をしているので、起きているときよりもたくさんの酸素が必要になります。