日本経済の未来は世界一明るい!?

増田 悦佐氏
フーチ 85%
 今の本当に深刻な経済問題の大部分は、第二次産業の花形であった大規模工場生産から規模の経済を生かしにくいサービス業生産へと転換することがうまくいっていないことにある。それが、世界中の先進国の経済問題の中でもいちばん深刻な問題である。

サービス産業で働く人の雇用安定化が課題

 サービス業中心の経済になってからはどうか。スーパーや小売店のレジが典型的だが、経済を積んだからといって給料が良くなるわけではない。しかも、客が大勢いるときには人手がたくさん必要だが、客が少ないときには余ってしまうから少なくていいということで、限られた時間だけの不定期労働になる。

 最近2〜3年のアメリカの失業率の低下の大部分は、とくに若年層で次の仕事を探す努力を放棄して、労働力人口から脱落した人が増えたことによるものだ。

コミケやコスプレなども
これからの経済の大きな柱

 日本はすでに江戸時代からサービス業が盛んであり、しかも文化や流行がしたから上へ伝わっていくことからも分かるように、庶民のパワーが強い。消費を活発にするヒントは、そんなところにあるのではないか。そのパワーを役人は余計なことをして邪魔をしないでくれればいいのである。
クルマ社会はサービス化する経済に対応できない

 今、おもしろい現象がアメリカで起きている。大型小売店ウォルマートでさえも、既存店ベースで見ると売り上げが減少に転じている。また、マクドナルドが2〜3・4半期連続で既存店ベースの売り上げが大幅なマイナスに転じている。

 さらに、アメリカ国民一人当たりのガソリン消費量が、1988年から89年ぐらいにピークを打って、今やピーク時の水準に比べると2〜3割低くなっている。

 これらのことが示唆するのは、最大のクルマ社会であるアメリカでさえも、サービス業化が進展すると、どうしてもクルマではうまくいかなくなる場面も多いということではないだろうか。

    安全な街が対面販売の強みにつながる

 鉄道駅の発達もあって、日本は女性や子どもが昼でも夜でも安心して街の中、盛り場を歩くことができる。そんな都市があるのは、世界中を探しても日本だけだ。ヨーロッパやアメリカでは、表面的には男女平等などと偉そうなことを言っているが、女性が男性のエスコートなしに安心して夜、遊び歩けるような場所はない。いわゆる低開発国になると、女性が夜外出するとなると、生命の危険さえ生ずるようなところが多い。