世界の未来は日本次第?
長谷川 慶太郎氏
渡邊 哲也氏
フーチ 85%
 一部メディアでは、国家の財政赤字だけを取りあげ、日本のマイナス面ばかりが喧伝されていますが、じつは日本は22年連続の対外純資産世界一の国であり、世界最大の債権国なのです。つまり、「技術と金のどちらも世界一の国ある」と言っても過言ではないでしょう。

 日本の鉄鋼業は凄いのです。たとえばいま、世界でいちばん需要の多い鉄鋼材は鉄道のレールです。なかでも新幹線「のぞみ」が走っているレールは1m当たりの重量が80kgあり、これをつくれる工場は、世界でも新日鐵住金の君津製鉄所とJFEスチールの東日本製鉄所(京浜地区)の2ヵ所しかありません。
 日本レールがなければ世界中の鉄道が動かない

 アメリカではいま、大陸横断鉄道のコンテナ列車が大きな問題になっています。Piggybackと呼ばれる平台型貨車にコンテナを16個載せ、それを30両つないで先頭と真ん中と最後尾の車両のディーゼル機関車で動かし、機関士が1人で運転するのです。

 ただ、実現するには1m当たり80kgのレールが必要です。その80kgレールがアメリカにはない。すべて日本に依頼しているのです。昨年4月に来日したオバマ大統領が、「日本に技術協力をお願いしたい。具体的には鉄道だ」と言ったのですが、鉄道のレールを指していたとは当初、安倍総理も気づきません。