エネルギー・マネー戦争?

増田 俊男氏
フーチ 80%
 FRBの緩和資金はほとんど実体経済には使われていない。使われたのは言うまでもなく株式市場、債券市場と不動産市場だけである。
 世界の石油埋蔵量は、いろいろ計算が異なるが、保守的に見て1.6兆バーレル(ブリティッシュ・ペトロリアム社:調査)とされ、世界の石油総需要は中国の需要増を加味すると年間4%のピッチで増加するので埋蔵量から逆算すると30年で枯渇すると言う。となると石油をもとにしたエネルギー戦争は30年以下と言うことになる。
 石油は100万年以上の長期にわたって生物の遺骨が高温・高圧で油母という物質に変わり液体の原油になったものだが、人間はこれを数百年で使い切ってしまう。世界の埋蔵量は中東諸国とベネズエラで約70%を占めるので今後も中東石油への依存度は高い。
 アメリカはシェールオイル・ガス革命で石油の生産量が増大化し、サウジアラビアとロシアに肉薄しているが、石油の埋蔵量はサウジアラビアの約10分の1の300億バーレルであるため今後11年で枯渇する。
 2020年までに世界最大の産油国になり石油輸出大国になると言ってもアメリカの石油生産が加速するほど枯渇の寿命が短くなる。