中国大減速の末路

長谷川 慶太郎氏
フーチ 90%
「新常態」は失敗に終わり、習近平は「最後の皇帝」となる!アメリカはいよいよ、南シナ海南沙諸島での中国による埋め立て問題に関与していく姿勢を明確化した。国際法を無視して暗礁の浅瀬を埋め立て、軍事拠点化しようとする働きを牽制したものである。

 尖閣諸島での日中の抗争は、中国国内にまさに仮想敵国・日本を印象づけうる格好のシーンであった。しかしこれも最終的には、アメリカも尖閣を守るとの表明によって、もくろみは外れる格好となった。そのうえ、公害の克服、経済減速の克服には、日本の技術力と協力が不可欠と悟るに至った。さらにAIIBの運用には日本の力が必要と思い至るにつけ、とうとう習近平は、日本に対して頭を下げることになったのである。

 一方、日本はアベノミクス以降に経済が持ち直し、経済界は自信を取り戻している。株価も企業業績を反映して好調であり、内外共に最大のチャンスが巡ってきている。この流れは本物である。
いよいよこれから、日本経済は多様なニーズに応えて、重厚長大産業を中心にますます伸びて行くだろう。高度な技術力を背景に、日本経済が世界を牽引していくことになる。

中国が「量から質の経済」へ転換するためには、日本の技術支援が不可欠であり、また、現在の中国が最優先で取り組むべき公害対策、環境問題についても、日本の技術なくしては解決できないことを、習近平はじめ共産党幹部は認めざるを得ない状況へと、中国経済は追い詰められているのである。

米国や日本が参加せず、中国が主導する「銀行」では、その信用格付には不安がつきまとう。中国は、いまだ世界銀行や、日米が主導するアジア開発銀行(ADB)から融資を受けており、また日本からは細菌まで政府開発援助(ODA)を受け取っていた国家である。この点が、基軸通貨国である米国や世界最大の純債権国である日本とは大きく異なるのだ。