結節性硬化症<子どもの病気>

原因は何か
 結節性硬化症の発症の原因は遺伝子異常であることが、最近の医学研究でわかりました。結節性硬化症の原因遺伝子は、現在2種類が明らかになっています。遺伝子の異常といっても多くは突然変異で、その場合ご両親に異常はありません。この遺伝子は、どちらも細胞が腫瘍化するのを抑えるはたらきがあると現在は考えられており、その異常により細菌が腫瘍化しやすくなって多様な症状が出てくるのだろうと考えられています。

症状の現れ方
 病変の分布や発症年齢が大変幅広く多様ですが、小児期に最も多い症状はてんかん(けいれん発作)です。運動の機能や知能、言語の発達が遅れることもしばしばみられますが、まったく正常であることも多いようです。皮膚の病変として、頬や鼻の周囲にニキビと間違うような皮疹(血管線維腫(せんいしゅ)、色素が抜けた不定形の皮疹(白斑(はくはん))などがみられます。

 時に腎臓や心臓、眼底に腫瘍がみられることもあり、その場合にはそれぞれ高血圧や不整脈、視力低下がみられることがあります。

結節性硬化症(プリングル病)とは

 結節性硬化症はプリングル病とも呼ばれます。全身に過誤腫とよばれる良性の腫瘍ができる病気です。皮膚と神経系に異常がみられ、皮膚の症状があざの様に班状に出る(母班)ことから、神経皮膚症候群あるいは母班症というグループに入れられています。古くは、頬の赤みを帯た数ミリの盛り上がったニキビ様のもの(顔面血管線維腫)、てんかん、知的障害の3つの症状(3主微)がそろうとこの病気と診断してきましたが、診断技術の進歩に伴い、知的障害や、痙攣発作のない軽症例も多数みつかるようになってきました。それに伴い、全身のいろいろな症状で診断されることも多くなっています。

この病気の原因はわかっているのですか

この病気は遺伝するのですか
 結節性硬化症は遺伝子の異常でおこり、遺伝する病気で、常染色体優性遺伝と呼ばれる遺伝形式を示します。しかし、実際には、50-60%以上の患者さんではこのご両親をいろいろ検査しても結節性硬化症にみられる症状が全く見つかりません。
ご両親の精子または卵子のき遺伝子に突然変異がおこり・・・・・