ぼんやりしていることが増えた
認知症ではないか
 まず疑うのは、服用中の薬剤の副作用です。割と多いのが、降圧剤や睡眠薬の効き過ぎ。さらに、便秘薬による「高マグネシウム血症」や、骨粗鬆症薬による「高カルシウム血症」などで、意識レベルが手化するケースも。次に考えられるのが甲状腺機能低下症です。

女性に多いことで知られていますが、男性でも罹る病気です。全身の代謝に関わる甲状腺ホルモンが低下するため、身体のだるさや記憶力の低下などの症状が現れます。ぼんやりする他に、手足や顔がむくむなど、外見的な変化が現れやすいのも、甲状腺機能低下症の特徴です。

また、高齢者の場合は、知らず知らずのうちに脱水が起きていて、ぼんやりしているように見える場合があります。貧血もそうです。最も頻度が高いのは、鉄分が不足する「鉄欠乏症貧血」ですが、ビタミンB12や葉酸の欠乏、腎機能の低下によっても貧血になります。

とくに慢性的な腸からの出血が続いて貧血を起こしているときは、大腸がんが隠れているかもしれません。その他の悪性腫瘍が体内にあることでも、全身の機能が低下して、ぼんやりして見えることがあります。