オキシトシン

 このような親子の愛情にもA−10神経を流れるドーパミンが関係しています。ドーパミンは快感を生むだけではなく、親子を結びつける働きをするオキシトシンという物質を視床下部で生み出しています。
 オキシトシンの神経をドーパミンの流れている神経が取り囲んでいます。ここからドーパミンが放出されると、その刺激でオキシトシンが分泌されるのです。これまでオキシトシンは、出産や授乳のときに母親の体内で働くホルモンだと考えられてきました。しかし最近脳の中でも働く物質だとわかってきたのです。

 脳の働きが異なる二種類(家族型と単独行動型)のネズミからオキシトシンの新たな作用が発見されました。家族性ネズミの方が、単独行動型のネズミよりオキシトシンのレセプターの多いことが発見されたのです。

 ☆ドーパミン産生遺伝子にEg入れオキシトシン分泌促進にEg入れる

 犬と触れ合うことでオキシトシンの分泌量が増える。オキシトシンの分泌量が高いほど良好な社会関係をもてるのですから、犬を飼って触れ合うことは、社会関係力を向上させる上で大きな意味があります。

    幸せホルモンといわれるオキシトシン

 オキシトシンは出産時に陣痛を起こしたり乳汁を出しやすくしたり、また分泌されることで母と子供の絆を深める効果があります。そしてオキシトシンの効果で注目されていることが自閉症や対人関係の改善です。便通促進剤としてオキシトシン製剤やオキシトシン注射液自閉症改善や円滑な対人関係のためにオキシトシンスプレーなどが販売されています。

         オキシトシンの働き

 オキシトシンは脳の視床下部で合成され、下垂体後葉から分泌される神経伝達物質です。オキシトシンの働きとして赤ちゃん出産時の子宮収縮や授乳時の乳汁の分泌を促す効果があります。

 医療ではオキシトシンがもつ子宮収縮の働きに注目し、子宮収縮薬や陣痛促進剤として使用されています。

 オキシトシンの働きで近年注目されているものが相手と仲良くなる、愛する、信頼する効果で、オキシトシンは“幸せホルモン”や“安らぎホルモン”、“愛情ホルモン”、“信頼ホルモン”と呼ばれるようになりました。