「全中解体」だけなら

農業は何も変わらない
 日本の成長を阻害する「岩盤規制」の象徴ともいえる農協に、改革のメスが入った。安倍政権の規制改革の「本気度」を測る上で、重要な試金石となるだろう。

「農協改革」を巡って、政府・与党と全国農業協同組合中央会(JA全中)の間で2015年2月に合意がなされた。決着内容は、約700ある地域農協を束ねる全中のあり方の抜本的な見直しである。地域農協に対する指導・監査権の廃止、一般社団法人への移行などが合意された。

 この問題では、2014年に規制改革会議が集中的に取り組み、改革案を提示して以降、関係者を巻き込んだ大論争が続いていた。改革の意図は、地域農協の自由度を高め、経営の創意工夫や効率化を進めようというものだ。