心不全とは

   心不全とはどんな病気か
 私たちのからだが活動を行うためには、全身の組織において栄養分や酸素が必要です。心臓は、栄養分や酸素を含んだ血液を全身に送り出すポンプのはたらきが低下して、全身が必要とする血液を十分に送り出すことができなくなった状態を心不全といいます。

   心不全の種類
?急性心不全とは、急性心筋梗塞症などの急性の病気が原因となって、それまで症状がなかった人に呼吸困難、血圧低下などの心不全の症状が急に出現するもので、緊急の入院治療が必要です。
?慢性心不全とは、心臓弁膜症や心筋症が原因となって心臓のはたらきが低下し、運動時の動悸、息切れ、呼吸困難や足のむくみなどの症状が慢性的に持続しているものです。
また心不全は、左心室と右心室のどちらのはたらきがおもに低下するかによって、左心不全(左心室のはたらきが低下する)と右心不全(右心室のはたらきが低下する)に分類することができます。
症状は三つに分けられる


 心不全の症状は、おおまかに、肺うつ血症状、体静脈うっ血症状、心拍出量低下症状、の三つに分けられます。
○肺うっ血症状?
 左心室のはたらきが低下しておこる左心不全では、左心室から血液を送り出す能力が低下するので、その手前(上流側)に位置する左心房や肺静脈に血液の停滞がおこります。これを肺うっ血と呼びます。
 ○体静脈うっ血症状?
 右心室のはたらきが低下しておこる右心不全では、右心室の手前(上流側)に位置する右心房やさらには体静脈(全身から心臓へもどる静脈)にうっ血がおこります。
    ○心拍出量低下症状?
 心拍出量とは、心臓というポンプが全身に送り出す血液の量のことで、正常人の安静時では毎分五〜七リットルです。心臓のはたらきが低下すると、心拍出量が、毎分二・五〜四リットル程度まで低下し、それによる症状が出現します。