日本人に多い「高濃度乳房」

がん検診、マンモに限界
川崎市の風間沙織さん(52)は10年以上マンモグラフィー検診を毎年受けていた。「異常なし」の結果が続き、安心していた。

妹が乳がんになった3年前、マンモと超音波(エコー)の検査を両方受けた。医師はマンモの画像を見て「これではよく見えないね」。エコー検査で左胸に約1・7センチの腫瘍(しゅよう)が見つかり、病理検査でがんと確定、手術で全部摘出した。後で自分の乳房が「不均一高濃度」と知った。

乳房内は母乳を作る乳腺が張り巡らされ、乳腺密度が高い順に、「高濃度」「不均一高濃度」「乳腺散在」「脂肪性」の4段階に分類される。「高濃度」と「不均一高濃度」は日本人の約5〜8割とされる。

マンモではやわらかい脂肪は黒く、かたい乳腺は白く写る。腫瘍のしこりも白く写るため、中村清吾・昭和大教授(乳腺外科)は「乳腺が発達しているほど画像が白く見え、乳腺の白いかげに隠れてがんを見つけにくい」と話す。